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9月29日(日)に市民公開講座『消化器病の最新治療』が開催されます。

2013年08月28日(水)

来る9月29日(日)に、一般財団法人 日本消化器病学会北海道支部主催の第42回市民公開講座『消化器病の最新治療』が開催されます。

当院から は座長・講師として外科 山本康弘部長、内科 請川淳一副部長、そして内科 矢崎康幸顧問が出演いたしますので、皆さまのご来場を心よりお待ちいた しております。
 


(上記画像をクリックしますと、PDFファイルが表示されます。)

 

第42回市民公開講座 抄録 山本康弘

◆消化器病の外科治療 —内視鏡外科を中心にー

近年、内視鏡外科治療の進歩により消化器外科手術も格段に発展してきております。大きな切開を行う従来の開腹術に比べると、腹腔鏡下手術では創を小さくすることができ腹壁破壊が少なく、また拡大視効果により手術操作時の出血量も減少し手術侵襲の少ない患者さんに優しい手術が可能になりました。さらに、ヨーロッパで考案された手術後の回復力強化プログラム Enhanced Recovery After Surgery(ERAS) の導入により、消化管吻合後の経口摂取開始時期も早くなり、下部消化管手術では消化管切除吻合後、手術翌日より栄養剤の経口が可能になりました。本日は、早期胃癌に対する完全腹腔鏡下幽門側胃切除(LDG)、胃・十二指腸潰瘍に対する腹腔鏡下大網充填術、胆石・胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、虫垂炎に対す腹腔鏡下虫垂切除術、大腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)などについて、新しい知見をふまえビデオを中心に解説します。

第42回 市民公開講座 抄録 請川淳一

◆消化器疾患の検査・治療   

近年わが国の死亡原因の約30%は、がんです。人口動態統計によると、大腸がんは年々増加の一途であり、部位別の死亡率は3位です。欧米人に比べて昔から日本人に多い胃がんが2位であり消化管がんは日本人に関係の深いがんといえます。しかし、いずれのがんも早期発見し早期治療ができれば治る可能性の高い病気です。前半は現在行われている内視鏡検査がどのように診断され治療が行われているかをお話ししたいと思います。内視鏡機器の進歩によって、通常光観察だけでなく、画像強調観察や拡大内視鏡検査を行うことでより早く正確に早期がんを診断し、内視鏡的切除術を行うことができるようになっています。その診断方法や治療方法について写真や動画を使ってご説明させていただきます。
後半は、現在も日々進歩している内視鏡検査について小腸のバルーン内視鏡検査、カプセル内視鏡検査やこれから皆さんが受けられるかもしれない超拡大内視鏡検査や胃・大腸カプセル内視鏡についてお話する予定です。

第42回市民公開講座 抄録 矢崎康幸

◆肝疾患の最新の話題

豚レバー、豚ホルモン摂取に由来するE型肝炎は、北見で初めてわが国に存在することがわかった肝炎で治療がうまくゆかず死亡した例もあります。北見市では今でもしばしば見られますので注意が必要です。 B型肝炎は近年減少してきましたが抗ウィルス薬が中心となって従来と較べて治療がしやすくなっています。C型肝炎は新しい抗ウィルス薬とインターフェロン(IFN) の組み合わせによるウィルス駆除療法が進歩し治療成績が年々向上しています。一方、副作用もあり肝臓専門医による治療が推奨されています。IFN を使わず、経口抗ウィルス薬のみによるウィルス駆除療法も研究されています。最近ではウィルス駆除ではなく肝炎の沈静化、肝線維化進展防止、肝癌抑制目的のためのIFN 治療も行われるようになりました。肝臓癌の診断はE0B-MRI という新しい検査法でより早期の肝癌が発見されるようになりました。新しいバイポーラー針によるラジオ波凝固壊死療法は効果的で副作用の少ないラジオ波治療が行えるようになってきました。分子標的薬の登場で進行した肝癌の経口抗ガン剤による新しい治療が可能になりました。新しいタイプの慢性肝障害の非アルコール性脂肪性肝炎 Non-Alcoholic Steato-Hepatitis(NASH ナッシュ)の患者さんが増えてきました。従来、単純性脂肪肝と混同されていましたが慢性の経過をとり肝硬変、肝癌へと進展します。診断には肝生検が必要です。食道・胃静脈瘤治療の進歩として、従来の食道静脈瘤を完全に消失させた後に新たにでてくる新しいタイプの静脈であるFo静脈瘤や、一見正常の胃粘膜から大出血をきたす噴門出血が問題となっています。大きな胃孤立性静脈瘤出血の止血には瞬間組織接着剤ヒストアクリルの注入が必須でしたが、私たちがこの方法を開始して20年近くたって、2013年にやっと保険適応となっています。これらにつきわかりやすく紹介いたします。

 

 

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