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【川村エッセー:ときわぎ】我慢

2010年07月02日(金)

来る7月4日、遠軽町のえんがる球場でイースタン・リーグ公式戦、北海道日本ハムファイターズ対読売ジャイアンツが行われる。管内で、プロ野球の試合を球場で見る機会はほとんどないので、スピードやパワーに溢れるプロのプレーをぜひ野球ファン、特に少年達は味わって欲しいと思う。ジャイアンツには、遠軽高校出身の西村優希投手が現役で頑張っているので、心から活躍して欲しいと願っている。

先月、札幌ドームと苫小牧市営球場で行われた、埼玉西武ライオンズとファイターズのファームの試合を見学してきた。友人であるライオンズの二軍打撃コーチ、大久保博元氏から、選手の体調管理などの相談を受けることがあり、試合開始前からチームに帯同し、故障した選手の診察を行った。二軍とは言え、プロに入る前は、アマチュアとして優れた成績を収めた選手ばかりであり、技術、体力ともに鍛えられている印象を受けた。しかしながら、彼らの目指す先は一軍であり、いくら練習を重ねても先が見えない、あせりや不安の影が選手から見て取れた。

大久保博元氏と川村

試合が終わり、選手、コーチ達と一杯やりながら話しを聞くことができた。程よく酔いが回ってきた時、大久保コーチが、伸び悩んでいる若手選手に、「試合でヒットが打てたときは、それは練習したからだと思え。打てなかったとき時は、練習が足りなかったからだと思え。今、一軍にいる選手は、練習を抑えることがコーチの仕事なくらい、とにかく練習の虫だ。遊んで朝帰りしたような時でも、その後自分で納得するまで何時間でもバットを振っているよ。」と語っていた。大久保コーチの目からは、一生懸命練習している選手とそうでない選手が、はっきりと判るようである。コーチとしては、選手全員を信頼し期待をかけているが、我慢し練習で頑張っている選手を特に期待し、一軍に推薦してあげたい、と熱く語っていた。

生活がかかっているプロ野球選手の苦しみとは次元が違うが、スポーツの上達に関し、悩める方は多い。私も、昨年からゴルフに取り組んでいるが、毎日練習を重ねても一向に腕が上がらない。自分の能力のなさを痛感するが、我慢し、あきらめないで練習を続ければきっと結果がついてくる・・・と自分に言い聞かせ、今日もクラブを握っている。

北海道新聞 エッセー:ときわぎ 2010年7月2日掲載

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