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【川村エッセー:ときわぎ】骨の健康

2010年10月22日(金)

10月20日は“世界骨そしょう症デー”とされているようだが、骨の健康を預かる診療科に属する身として、今回は骨粗しょう症について考察したいと思う。

骨そしょう症は骨のカルシウム不足により生じる、とは一般的に理解されている。そのためにカルシウムの豊富な食品、特に牛乳が有効であることは広く知られている。最近、牛乳は健康を害し、逆に骨折を起こし易くする?といった論調もあるようだが、日本骨そしょう症学会の本年の発表を見る限り、牛乳についての否定的な報告はない。私自身、子供のころから浴びるように牛乳を飲んできたおかげか、骨は丈夫な方である。中年となった最近はあまり飲めなくなったが、大学生まではよく飲んでいた。「朝食は納豆と牛乳をガブガブ」と言っていた大学の柔道部の先輩は、恐ろしく丈夫で強かった印象がある。納豆にはビタミンKが含まれており、これも骨を丈夫にする作用がある。食もトレーニングの一つとした先輩は、偉大であった。

【川村エッセー:ときわぎ】骨の健康

中年以降になると、骨折を予防するためには、骨量だけではなく筋肉量も増やすことが重要になる。そのため栄養、運動が大切となる。骨の代謝には、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、カリウム)やビタミン類(A、B、C、D、K)、タンパク質などが豊富で、栄養バランスがとれた食事が大切である。その中でも、高いカルシウム摂取は牛乳、乳製品から、高いビタミンD摂取は魚からが有効である。また中・高齢者には生活習慣病を防ぐ観点から、減量を勧めることが多いが、過度の減量は骨密度を低下させ、筋肉量も低下させ、骨折のリスクを高くするので注意が必要である。要するに痩せすぎもよくないということである。これからは、メタボならぬガリガリ君(痩せすぎ)症候群という言葉が出てくるかもしれない。

成長期の子供にとって、アレルギーがある子供は別として、牛乳は体作りの大きな助けになる。先日家族で東京に行ったとき、ホテルの朝食で出された牛乳を、7歳の息子はおいしくないと言った。彼にとっては、いつも飲んでいる北海道の牛乳が一番おいしいようである。子供の味覚は、大人より敏感なのかもしれない。子供の皆さん、毎朝、腰に手を当てておいしい北海道の牛乳をゴクゴク飲んで、元気な日本を作りましょう!

北海道新聞 エッセー:ときわぎ 2010年10月22日掲載

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