人工関節

膝(ひざ)関節

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)、そして膝蓋骨(ひざのお皿)で構成されています。関節部分の脛骨(けいこつ)はほぼ平らな形をしています。その上を、凸状の大腿骨(だいたいこつ)が転がりすべるようにして動きます。膝の関節を安定させるために、骨と骨をつなぐ靭帯(じんたい)が重要な役割を果たします。

関節の中では、骨の表面はなめらかな軟骨(なんこつ)でおおわれ、そのすき間には半月板(はんげつばん)があります。関節部分は関節包(かんせつほう)でおおわれています。その内側の滑膜(かつまく)は潤滑油の役割をする関節液を分泌します。軟骨、半月板、そして関節液のはたらきによって、膝関節は非常になめらかに動くようになっています。

膝の曲がる角度は、最大で約150度です。これは正座をするときの角度です。しゃがむ時には約120度曲がります。歩くときには約60度曲がります。


関節疾患の治療法には、保存療法と手術があります。保存療法は、手術をせずに、薬や運動などによって関節の症状をやわらげる治療法で、主に薬物療法、運動療法、装具療法があります。

この他に、自宅でできる治療法として、関節を温めたり冷やしたりする方法があります。手術療法には、人工関節全置換術や骨きり術、関節鏡(かんせつきょう)手術などがあります。

人工関節置換術

関節のいたんでいる部分を取りのぞき、人工の関節に置きかえる手術です。関節の痛みの原因となるものをすべて取りのぞくので、他の治療法と比べると「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。

現在使用されている人工関節の耐久性は、患者さんの状態にもよりますが約15~20年といわれています。長い人生の中では、再度手術をして人工関節を入れかえる必要が出てきます。そのため、これまでは60歳以上の比較的高齢のかたに対しておこなう手術とされてきました。しかし、最近では患者さんの価値観やQOL(生活の質)が尊重されるようになり、50歳代でも、より快適な生活をおくるための一手段として人工関節を選ばれるかたもいます。

いずれにしても、最終的に治療法を決めるのは患者さん自身です。人工関節の手術は、交通事故などの緊急の場合をのぞいては、手術の時期を選ぶことができます。時間をかけて家族とよく相談して決めると良いでしょう。

人工関節とは?(人工膝関節、人工股関節)

人工関節は、コバルトクロム合金やチタン合金などの金属やセラミック、プラスチック(超高分子ポリエチレンなど)から作られています。体内に「埋め込む」という意味でインプラント(Implant)とよばれています。

下肢の人工関節の耐久性は約15~20年といわれていますが、必要に応じて、再度入れかえることができます。人工関節の固定方法として、骨(こつ)セメントを用いる方法と、用いない方法があります。

骨セメントを使用しないタイプの人工関節は、表面に特殊な加工(ハイドロキシアパタイト加工など)がされており、手術後に加工された表面に骨が入り込んで固定されます。また、ネジで固定するものもあります。

人工関節にはさまざまな種類がありますが、患者さんの骨の状態や生活習慣などにあわせて機種や大きさなどを選びます。

当院整形外科は、平成20年の人工関節置換術は80件以上あり、北見管内でも有数な症例数を誇り、地域住民のみならず網走、紋別方面からの患者様も多く来院され、積極的に治療を行っております。

施術例

脚がO脚の方は、人工膝関節手術により、脚がまっすぐになります。

●68歳女性、左写真 術前、右写真 術後

リウマチ人工関節センター

 

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